

MaaSという言葉を聞くようになったけど、そもそもなぜMaaSが登場したんだろう。世の中に何か問題があるからだと思うんだけど。。。なぜだろう。
この記事では、こういった疑問に答えます。
✓本記事の内容
- なぜMaaSが注目されているのか?
- 解決すべき「移動問題」と背景
- MaaSによる解決策
- まとめ|MaaSの目指す未来とは?
この情報について調査していた経験がある、私が解説していきます。
そもそもMaaSって何?という方は、以下の記事をご覧ください。
MaaSの概要や仕組み、未来の移動体験のストーリーまでを解説しています。
最近の交通や鉄道のニュースを見ていると「MaaS」とか「新しい移動サービス」の言葉が頻繁に出てくるけど、なんだろう。自分が普段使っている電車とかに関係あるのかな。知りたい気持ちはあるけど難しそう。こういった疑問に答えます[…]
では、さっそく見ていきましょう。
なぜMaaSが注目されているのか?

なぜ、新しい移動サービスの基盤となるMaaSが注目されているのか。
結論は
いまの移動サービスが抱えている問題と消費行動の変化に対応する
このためにMaaSが注目されています。
いまの移動サービスが抱えている問題と消費行動の変化とは何か。
それは以下の2つが挙げられます。
- 移動サービスの問題:「移動弱者・移動手段不足」と「移動の利便性・効率化」
- 消費行動の変化:自動車を「所有」することから「利用」によって得られる体験に消費行動がシフト
移動サービスの問題については、高齢化の進展・交通事業者の撤退等による交通空白地域の拡大、人口集中で移動需要の増加に伴う渋滞や混雑が無視できなくなっていることが挙げられます。
これらが「移動弱者・移動手段不足」「移動の利便性・効率化」の問題に大きく関係しているのです。
※交通空白地域とは、一定の距離に駅やバス停などがない地域のことです。
駅やバス停などが減っている地域(交通空白地域)が拡大している一方で、移動需要が増加(渋滞や混雑)している。
って何か矛盾していない?と思われる方もいると思います。
確かに、矛盾しているように聞こえますよね。
しかし、このような矛盾した問題が「地域」と「都市」で分けたときに起こっているのです。
MaaSが注目される理由として、移動サービスの問題と消費行動の変化に対応するためと書きましたが、この記事では「移動サービスの問題」について深掘りしていきます。
「消費行動の変化」については別の記事にて解説しますね。
解決すべき「移動問題」と背景

解決すべき「移動サービスの問題」は、以下の2つに分けて考えます。
- 地域:移動弱者・移動手段不足
- 都市:移動の利便性・効率化
なぜ地域と都市でこのような問題が起きているのか?
それぞれの背景を見ていきましょう。
移動弱者・移動手段不足
地域では自家用車以外の通勤・生活移動手段が限定的で自家用車への依存が強い傾向にあります。
これにより稼げない交通事業者が増え、公共交通の維持が困難になり、一定の距離に駅やバス停などがない地域(交通空白地域)が拡大しています。
しかし、高齢者の移動需要(自家用車以外)は増加しています。
交通空白地域の拡大が重しとなり、その需要に対して自治体は満足のいく移動サービスの提供ができていないのです。
自家用車の依存→公共交通の維持が困難→高齢者による自家用車以外での移動需要の増加、という負のスパイラルになっている状況ですね。
移動の利便性・効率化
都市では日常的な道路渋滞・公共交通の混雑に加え、観光客の増加・インバウンド需要による混雑が問題となっています。
通勤・通学者で混雑する朝の通勤ラッシュは、これにあたりますね。
また最近では公共交通機関が複雑になってきており、観光客にとって分かりずらい状況にもなっています。
MaaSによる解決策

どうすれば「移動弱者・移動手段不足」「移動の利便性・効率化」の問題を解決できるのか?
それは新しい移動サービスを考えることです。
いまの移動サービスに新しい考え方を組み合わせる、幕の内弁当のように複数の移動サービスを詰め合わせて統合する「MaaS」の登場となるのです。
「移動弱者・移動手段不足」「移動の利便性・効率化」に対して、どのような移動サービスが考えられるか、見ていきましょう。
✓考えられる移動サービス 1
複数移動の移動手段を統合・連携し最適化する
検索・予約・決済を1つのアプリで行えるようにすることで、乗り継ぎの際の手間などを解決するサービスが考えられます。
✓解決できる問題
移動の利便性・効率化
✓考えられる移動サービス 2
移動に必要な乗り物を「共同」で利用する
自転車や自動車等をシェアし、需要と供給のバランスを常に保つことで、需要が一極集中することを防ぐサービスが考えられます。
✓解決できる問題
移動の利便性・効率化
✓考えられる移動サービス 3
需要に応じて変更できる公共交通
需要に対応してルート・価格等を最適化する公共交通サービスの提供で、移動需要に柔軟に対応できるサービスが考えられます。
✓解決できる問題
移動の利便性・効率化
移動弱者と移動手段不足
✓考えられる移動サービス 4
物流サービスとの連携
人とモノを一緒に運ぶことで、公共交通の車両等の空きスペースを有効活用し、移動の足を確保しやすくするサービスが考えられます。
✓解決できる問題
移動の利便性・効率化
移動弱者と移動手段不足
実際に「移動弱者・移動手段不足」「移動の利便性・効率化」の問題を解決するため、様々な移動サービスが登場しています。
それらの移動サービスは「マルチモーダルサービス」「カーシェアリング」「貨物混載」などが例として挙げられます。
もし、これらの例が気になる方は、以下の記事をおすすめしています。
MaaSの事例を詳しい解説しています。
最近、移動のために「配車アプリ」を使ってみたけど悪くなかったな。数年前にはこんなサービスなかったのに便利な世の中になったな~。「配車アプリ」以外にも新しく出てきたサービスってあるのかな。どんな移動サービスがあるんだろう。 […]
まとめ|MaaSの目指す未来とは?

この記事では、なぜMaaSが注目されるのか、いまの移動サービスが抱えている問題、MaaSによる解決策について書きました。
移動サービスが抱えている問題をMaaSが解決できたとして、MaaSはどこに向かっているのか?何を目指しているのか?
MaaSが目指す未来は、 誰もが自由に移動できる社会(移動の最適化)です。移動が生活に溶け込む快適な移動体験を目指してます。
皆さんが、MaaSによる自由で快適な移動を体験できる日も遠くありません。
複数の移動サービスを掛け合わせるMaaSの可能性は無限大です。