

デジタルツインって言葉を聞いたことがあるけど、よくわかってない。何ができるんだろう。具体的にイメージできるものがあればいいな。
この記事では、こういった疑問に答えます。
✓本記事の内容
- デジタルツインとは?できることは?
- デジタルツインで体験できる未来
- デジタルツインを使った3つの事例
- まとめ|デジタル空間にもう一つの世界
では、さっそく見ていきましょう。
デジタルツインについて

まずデジタルツインとは何か?について説明していきます。
デジタルツインとは
リアル(私たちの生活空間)をデジタル空間上で再現する
ことを言います。
もう少し詳しく見ると、デジタルツインは2つの見方あります。
「人の視点」と「社会環境の視点」です。
「人の視点」で見た場合
デジタル空間(インターネット上など)にもう1人の自分(アバター)を作る
「社会環境の視点」で見た場合
私たちの生活環境の情報をセンサー等で大量のデータとして取得し、それをデジタル空間に再現する
(簡単に)→生活環境をデジタル空間上でもう一度再現する
あたかも双子のように、自分や生活空間をデジタル空間で再現することからデジタルの双子(ツイン)、デジタルツインと呼ばれています。
デジタルツインができること、それは「未来予想」です。
完全に未来を予想できるわけではありませんが、その精度は高めることができます。
これが、デジタルツインが注目を集めている理由でもあるのです。
たとえば、都市をデジタル空間でまるまる再現し「交通事故が起きたとき緊急車両がいち早く到着するルート」「渋滞が発生しにくい交通ルート」をシミュレーションで予想します。
それにより、何かあった場合に迅速に対応できるようになります。
デジタルツインは、私たちの生活をデジタル空間上でシミュレーションして便利な生活に変えてくれます。
未来を予想してアドバイスをしてくれるといった方が正しいかもしれませんね。
デジタルツインで体験できる未来

デジタルツインを使って体験できる未来を、少し覗いてみましょう。
【ある朝】
2031年のある朝。MIRAIは、A社・B社・C社の3社に勤めている。今日は午前中にA社に出勤し、昼過ぎはB社に出勤する予定にしている。
朝食を済ませたMIRAIは、スマホアプリで自身のアバターを起動させる。
このアバターはデジタル空間上で働いてくれるもう1人の自分である。
アバターに、「今日はC社で働いてほしい」と伝える。
MIRAIの住む2031年では、リアル(私たちの生活空間)での仕事・ビジネスは、ほぼ全てがデジタル空間上で代替可能になっている。家を出て、車でA社に向かう。
【昼】
12時30分、お昼休憩中のMIRAIはC社で働くアバターの進捗状況を確認していた。先週からたまっていたデジタル上の書類業務は7割ほど終わっていた。「さすが」と思いながら、A社での業務に戻る。
14時、A社での業務を終えたMIRAIはB社に車で向かう。B社に向かう途中、スマホアプリに通知がきた。
「この時間帯と道路状況から判断して、現在のルートでは渋滞が発生する可能性あり」という通知である。
MIRAIは違うルートを検索し、B社に向かった。
デジタルツインを活用したMIRAIの都市は、都市全体の状況をリアルタイムに把握し、すぐに伝えてくれる。B社に到着したMIRAIはオフィスに入っていく。
【夜】
19時、仕事を終えたMIRAIは家に帰宅する。帰宅後スマホアプリを立ち上げ、今日1日のアバターが行った業務状況を確認する。
C社での書類業務は完了しており、すべてクラウド上で提出されていた。
さらに、デジタルツインの機能で明日以降の業務スケジュールを最適化してくれていた。明日は朝からC社に出勤し、アバターが終わらせてくれた書類を使って会議をする予定だ。
いかがでしたか?
デジタルツインはAIなどの技術に支えられて、その効果を最大限に引き出します。
デジタル空間上に「自分」と「生活空間」を再現する、デジタルツインはただの夢物語ではありません。
内閣府が掲げている「ムーンショット目標1」にもデジタルツインの考え方が含まれています。
国が今後ますます力を入れていく分野になります。
デジタル空間の利用|3つの事例

いくつもの事例がありますが、この記事では3つの事例を紹介します。
【事例1】自動車のデジタルツイン
✓企業
ドイツに本拠を置く自動車メーカー
✓内容
デジタル空間上で仮想走行をシミュレーションし、部品などの故障や走行時の不具合を事前に確認します。
✓期待されること
手戻りがなく、業務の効率化
開発コストの低減
手戻りがなくなることで、生産性があがり、業務の効率化につながりますね。
【事例2】エンジンのデジタルツイン
✓企業
アメリカに本拠を置く総合電機メーカー
✓内容
航空エンジンが様々な環境でどのように稼働しているかをデジタル空間上でシミュレーションし、リスクや生産性向上などを見える化します。
✓期待されること
手戻りがなく、業務の効率化
事故率の低下
シミュレーションにて事故を未然に防ぐ取り組みは非常に重要だと思います。
【事例3】運搬のデジタルツイン
✓企業
日本に本拠を置く材料メーカー
✓内容
タンカー等の配船計画をデジタル空間上でシミュレーションし最適なスケジューリングを行います。
象情報や船の稼働情報のデータを集めシミュレーションすることで、配船の計画案にかかる時間を60分の1に短縮、輸送効率を20%も改善できたようです。
✓期待されること
手戻りがなく、業務の効率化
コスト削減
コストの削減によって、違う事業に削減した分の資金を使えるようになりますね。
まとめ|デジタル空間にもう一つの世界
この記事では、デジタルツインの定義から事例までを解説しました。
デジタルツインの目指す姿は「私たちの生活とデジタル空間を融合する」ことです。
これを実現するようため様々な企業が、デジタルツインを導入しています。
リアル(私たちの生活空間)とデジタル空間の境目が徐々に無くなってきています。
そして、これまでのビジネスモデルでは通用しなくなってくることに気づき始めます。
デジタル空間をうまくビジネス変えることが重要になってきますね。